WBS

 

自作のWBS管理ツールを作ったきっかけ

タスク管理ってリーダーがどうしたいか?という趣味嗜好がとってもよく出てくる分野。Projectなどの管理ソフト使っている人もいれば、テキストベースでやっている人もいるし。

結局のことろ、どんなやり方をしてもちゃんと管理できればいいんだけども、誰もが効率的に管理できる仕組みということを突き詰めてくと、結局は市販のプロジェクト管理ツールのような見た目に収束していくと思う。左にWBS、右にガントチャートのやつ。

自分の現場は、例のごとく「勝手にインストール禁止」…。それに導入できても結構お値段高い…。

私が管理しているプロジェクトは大規模ではない・自分やメンバがコソコソ使えればよいい・高級な機能などは不要で~などなど、いろいろ考えた結果、エクセルを使ったWBS管理ツールを作ったほうが早いと考えたので、その備忘録として本記事をまとめます。

 

WBSを管理するって?

自分の仕事だけ見ればテキストだったり、ササっと作ったエクセル資料だったりお手軽に作った「タスクリスト」で十分管理は出来る。しかし、チームとしてのタスクを考えると「タスクA」はαさん実施してもらって、次に「タスクB」βさんかな? んで、このタスクはXX/XXまでに実施して…。という具合にタスク・人・期間の要素が複雑に絡んでくる。

WBSは成果物を作るためのタスク。それに人・期間などの要素が絡んできて、それらを全体的に管理することがWBSを管理することだと思う。

WBS管理のポイントは

失敗したプロジェクトの反省でよくWBSがちゃんとできていなかったってよく聞くけど、タスクを抜けもれなく「事前」に洗い出すなんてことは「正直不可能」で、ポイントは「不測の事態」や「横やり調査作業」や、「仕様変更」などなど…を都度調整できずにやることが雪だるま式に…ってことかと思う。最初から失敗しようとして失敗する人なんていないし、世のプロマネはみんな頑張ってるんだよホント。。

WBSの作り方

まずは骨組みを作らないと何も始まらない。骨組みは各現場や会社ごとに決まっている「一般的な開発フロー」に従ってWBSを作っていけばオッケー。アウトプットをベースにすることに注意が必要。その後は、実際に進めながら肉付け(微調整)していけばいいかな。大切なのはこの「微調整」作業をコツコツ実施することだと思う。正解なんてない。日々ベストな形に持っていくよう努力を継続することが大切。

 

エクセルはプロジェクト管理に使うな論争

心の叫び

よく聞きます。excel使うなんてナンセンス!わかってないなぁ的な…。

でもひとこと言わせてくれ

「Projectなどの管理ツールを使えるならそうしたいよ…ほんと」WEB系の管理ツールなんてリア充感満載、ピカピカしていてまぶしすぎるぜ…。使いてぇ。

もしあなたが「いろいろ使える・試せる」すばらしい現場に配属されているなら、ぜひ市販ソフトやWEB系の管理ツール使ってみてください。

だから結局、エクセルを使うんだ

ハエ退治するのに戦車?マシンガン?重火器不要、何なら素手でもいける?いや、お手軽なハエたたき(excel)で十分では? 自分がやりたいことにも柔軟に対応できるし。自分である程度excelをいじれる人は、この恩恵が最も大きいと思う。

とはいえ、最終的に「求める機能」や「プロジェクトの規模」によって、市販ソフト・excelを使い分けるのが正しい考え方だと思う。頭ごなしに「excelつかってるの?遅れてる~」とか言わないで。

エクセルを使うことによる弊害

そりゃぁたくさんありますよ。例えば、スケジュール変更にともなう後続タスクの日付変更。市販ソフトで先行関係をちゃんと引いていれば自動で変わるし、レポート出力機能なんてまぁ素晴らしい。そのまま印刷すればプロジェクトの状況が一目瞭然?

一方、excelの場合はプロジェクト管理するためにexcel自身と奮闘するなんてことが結構起こるわけです。そりゃそうですよね。だってそういう機能作ってないから。市販のプロジェクト管理ソフト…いいなぁ。かっこいいなぁ。すべて使いこなせる気はしないけど。

とはいえ最大の弊害は

クリティカルパス」を正確に把握できない。いいすぎた。できますよ、自分でちゃんとみれば。でも自動で、グラフィカルに見えてこない。クリティカルパスを管理できないWBS管理なんてけしからん!って声も聞こえてきますが、ここら辺はやっぱり専用ツールには勝てないですよ。なので予定線の変更時にはクリティカルパスが変わってないか意識する必要がある…。これも結局小・中規模案件だったら自分で把握できるレベルが大半だし、把握できなくなる量になってきたら市販ソフト使いましょうってことだと思う。

 

エクセルを使う弊害に対しての対応

さて、市販ソフトを羨ましがっても仕方ないので、excelで自作するわけだけども…

1.先行関係機能は不要

中小規模プロジェクト(チームメンバが10~20名)の管理において、タスク間の先行関係の矢印は邪魔だと思う。かつて、ぐちゃぐちゃのProject見たときには吐き気がした。線が重なりすぎて、1ピクセル単位のマウス操作技能が要求されるなんて思ってもみなかった。いやぁ肩凝ったよまったく。

 

話を戻すと、先行関係を表現したいなら「タスクの位置」で表現する。Aタスク→Bタスクだったとして、BタスクはAタスク直下に置いとけばいい。またはメモでも残しておけばよい。まぁこれも大規模プロジェクトになると通用しないので注意が必要だけれど、これでも十分なプロジェクトって結構多いのでは?

 どうしても先行関係をつけたかったら

タスクの開始日に先行関係タスク終了予定日の翌営業日日付の数式を入れておけばよい。 リッチな機能は不要。自分が必要な機能は自分で作れるのはexcelを使うメリットだ。

2.スケジュール変更時に手動で更新しなきゃ

 スケジュールの大規模変更って最初だけな気がする。一番最初に予定を立てる時に、あーでもない、こーでもないってスケジュール線をいじってみてみる感じ。先にも書いたが、先行関係は暫定的につけることはできるので、予定線自動変更機能は実現することは出来るのでそんなにデメリットにはならないと思う。

 3.人別の稼働予定や稼働状況が見えない

みれますよ。excelでも。ガントチャート部分に実績を入れてもらえれば日々の実績が集計できますし、予定工数だって計算すれば日別に計算することは可能。ここら辺も、自分がやりたいようにカスタマイズできるのがexcelの強み。

 4.クリティカルパスの把握

クリティカルパスを出来るだけ把握するために、WBSのタスク順序で工夫する必要がある。そしてガントチャート作成後は、これがクリティカルパスだよ!って自分で明記しておく必要がある。ツール化できない(やればできるけど)以上は、自分の頭で意識する必要がある。

 

私が作ったWBS管理ツール

イメージ

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WBSイメージ

 

特徴

 10~20名程度のプロジェクト管理に適した機能を実現。

  1. 世にいうベーシックなレイアウト (左がWBS、右がガントチャート
  2. 開始予定・終了予定を入力すればガントチャートは自動色付く(条件付書式)
  3. 各種タスクフィルタ機能(担当者ごと、直近ごと、期限切れ)
  4. 期限切れ、本日期限、開始遅延タスクを抽出してテキスト出力(メールに添付して全体周知するため)
  5. 各担当者の実績集計機能
  6. 各担当者の予定工数予測機能
  7. 有機能を利用して複数人で更新可能 
  8. イナズマ線はつけてません。ごちゃごちゃするので。
  9. 自動バックアップ機能
  10. などなど…

注意

私の現場ではメモリ4GBのボロPCで運用しているので問題ないと思いますが、少し重いと感じることもあるかも。そんな時は、excelは別のインスタンスで起動して使ってください。

kokke33.hatenablog.com

ダウンロード

バグなどもきっと残っているので公開は取りやめました。

それでも使ってみたいって人は連絡いただければ連携します。

github.com